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「矯正を始めたいけれど、うちの子は痛みに弱いから続けられるか心配」「装置を入れた日の夜、痛くて眠れなかったらかわいそう」——お子さんの矯正を考えるとき、費用や期間と並んで多くの親御さんが気にされるのが痛みのことではないでしょうか。実際に、装置を入れたあとにお子さんが「痛い」と訴えて、このまま続けて大丈夫なのかと不安になる親御さんも少なくありません。
結論からお伝えすると、子どもの矯正で感じる痛みは、多くの場合は数日でやわらいでいく性質のものと言われています。また、装置の種類によって痛みの出方は違いますし、ご家庭での工夫や歯科医院での調整によって、負担を減らせる場面もたくさんあります。大切なのは、痛みを我慢させることではなく、どんな痛みなのかを知ったうえで、お子さんに合った進め方を選んでいくことです。
この記事では、子どもの矯正で痛みが出る理由、装置ごとの痛みの特徴、ご家庭でできる和らげ方、そしてお子さんが装置を嫌がるときの向き合い方について、長崎県長与町の渡辺歯科医院、院長の渡邉が解説いたします。当院では矯正の無料カウンセリングを行っておりますので、痛みへの不安も含めて、気になることは何でもご相談いただけます。
子どもの矯正で痛みが出るのはどんなときですか
矯正の痛みと一口に言っても、その正体はひとつではありません。歯が動くこと自体による痛み、装置がお口の中の粘膜に当たる痛み、装置を調整した直後の痛みなど、原因によって性質も続く期間も変わってきます。まずは、どんな場面で痛みが出やすいのかを整理しておきましょう。原因が分かっていると、お子さんが「痛い」と言ったときにも、親御さんが落ち着いて対応しやすくなります。
歯が動きはじめるときの痛み
矯正は、歯にごく弱い力をかけ続けることで、歯を支えている骨がゆっくりと作り替えられ、歯が少しずつ移動していく治療です。この歯が動きはじめる過程で、歯の周りの組織に炎症のような反応が起こり、噛んだときに響くような痛みや、歯が浮いたような感じが出ることがあります。
この種の痛みは、装置を入れた日や調整した日の当日から翌日にかけて強くなり、その後は日を追ってやわらいでいく傾向があります。一般的には数日ほどで落ち着くことが多いと言われていますが、感じ方には個人差があり、ほとんど気にならないお子さんもいれば、数日間は食事がしづらいというお子さんもいらっしゃいます。
痛みの強さは「治療がうまくいっているかどうか」を表すものではありません。痛みが少ないから効いていない、痛みが強いからよく動いている、ということでもありませんので、痛みの有無だけで治療の善し悪しを判断しないようにしていただければと思います。
装置がお口の中に当たって感じる痛み
もうひとつ多いのが、装置のふちや部品が、頬の内側・舌・唇の裏側などの粘膜に当たって起こる痛みです。歯が動くときの痛みとは違い、こちらは特定の一か所がヒリヒリする、口内炎のようになる、という形で出ることが多くなります。
お口の中の粘膜は、新しい装置に慣れるまでに少し時間がかかります。装置を使い始めた最初の1〜2週間はこすれて痛むことがありますが、粘膜が装置に慣れてくると気にならなくなっていくケースが多く見られます。ただし、同じ場所が繰り返し傷になる、傷が深くなっていくという場合は、装置の形を少し調整したほうがよいサインです。我慢させずに歯科医院へご相談ください。
装置を調整・交換した直後
矯正は、通院のたびに装置を少しずつ調整したり、マウスピースを次の段階のものに交換したりしながら進めていきます。新しい力がかかり始めるタイミングですので、調整・交換の直後は一時的に痛みや違和感が出やすくなります。
この痛みも、多くの場合は1日から数日でやわらいでいきます。通院日が決まっているご家庭では、調整の翌日に大事な予定を入れないようにしたり、その日の夕食をやわらかいメニューにしておいたりと、あらかじめ備えておくと、お子さんの負担をぐっと減らすことができます。
痛みの感じ方には個人差があります
同じ装置、同じ調整量でも、痛みの感じ方はお子さんによってかなり違います。年齢や性格、その日の体調によっても変わりますし、「痛い」という言葉で表現していても、実際には締めつけられる感じや違和感を指していることもあります。ここでご紹介している経過はあくまで一般的な目安であり、すべてのお子さんに同じように当てはまるものではない点をご理解ください。
また、痛みが強く出やすいお子さんの場合は、かける力を弱めにして期間をゆっくりとる、装置の種類を検討し直すなど、進め方を調整できることもあります。次の章では、装置ごとに痛みの出方がどう違うのかを見ていきましょう。
装置の種類による痛みの出方の違い
小児矯正で使う装置にはいくつかの種類があり、それぞれ仕組みが違うため、痛みの出方も変わってきます。当院で扱っている代表的な装置について、どんな痛みが出やすいのかを整理してみます。お子さんの歯並びの状態によって選べる装置は変わりますが、選択肢の特徴を知っておくと、カウンセリングでのご相談がしやすくなります。
プレオルソ(やわらかいマウスピース型の装置)
プレオルソは、やわらかい素材でできたマウスピース型の装置で、主に乳歯と永久歯が混ざっている時期のお子さんに使われます。歯を強い力で直接引っぱるタイプではなく、お口周りの筋肉の使い方や舌の位置に働きかけながら、歯並びが整いやすい環境をつくっていく装置です。
素材がやわらかいため、装置の中では比較的痛みが出にくいタイプと言われています。ただし、慣れないうちは口の中に異物が入っている違和感が強く、「気持ち悪い」「話しにくい」と感じるお子さんもいます。日中の決められた時間と就寝中に使うことが基本になりますので、痛みよりも「続けられるかどうか」がポイントになりやすい装置です。
床矯正(拡大床)
床矯正は、取り外しができるプレートに小さなネジがついた装置で、ネジを少しずつ回して顎の横幅を広げ、永久歯が並ぶスペースを確保していく方法です。歯列を広げる力がかかるため、ネジを回した直後は歯が押される感じや、締めつけられるような痛みが出ることがあります。
ネジを回すのはご家庭で行っていただくことが多く、回す頻度は歯科医院から指示があります。指示より早く回してしまうと痛みが強く出る原因になりますので、必ず決められたペースを守ってください。もし指示どおりに回していても痛みが強いようであれば、ペースをゆるめる相談ができますので、自己判断で中断せずにご連絡いただければと思います。
また、取り外し式の装置は、しばらく外していた後に入れ直すと痛みが出やすくなります。「痛いから外す、外していたからまた痛い」という悪循環になりやすいので、決められた装着時間を守ることが、結果的に痛みを減らすことにつながります。
インビザラインファースト(子どものマウスピース矯正)
インビザラインファーストは、透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を動かしていく、子ども向けのマウスピース矯正です。1枚あたりの歯の動く量が小さく設定されているため、強い痛みが出にくいと言われていますが、新しいマウスピースに交換した最初の1〜2日は、締めつけられるような感覚が出やすくなります。
この装置は1日20時間以上といった長い装着時間が必要になるため、食事と歯みがき以外の時間はつけておく生活になります。装着時間が足りないと歯の動きが計画とずれてしまい、次のマウスピースがきつく入りにくくなって痛みにつながることもあります。痛みを減らすという意味でも、決められた時間をコツコツ守ることが大切です。
ワイヤー矯正(主に2期治療で使う装置)
永久歯が生えそろった後の2期治療では、歯の表面に装置をつけてワイヤーで動かす方法を選ぶことがあります。歯を細かくコントロールできる一方で、取り外しができないぶん、調整直後の痛みや、装置が粘膜に当たる痛みは比較的出やすい装置です。
粘膜に当たって痛む部分には、専用のワックスを装置にかぶせて刺激を和らげる方法があります。当院でもお渡しできますので、痛む場所があればお知らせください。装置が外れた、ワイヤーが飛び出して刺さるといったトラブルのときは、自分で直そうとせず、早めにご連絡いただくのが安全です。
痛みをやわらげるためにご家庭でできること
矯正の痛みは、多くの場合は時間の経過とともに落ち着いていきます。とはいえ、痛みが出ている数日間をどう過ごすかで、お子さんの負担は大きく変わります。ここでは、特別な道具がなくてもご家庭で取り入れられる工夫をご紹介します。
食事をやわらかいものに切り替える
痛みが出やすい装置装着日や調整日の前後は、噛む力があまり要らないメニューにしておくと過ごしやすくなります。おかゆ、うどん、スープ、卵料理、豆腐、ヨーグルト、やわらかく煮た野菜などが向いています。反対に、硬いおせんべい、フランスパン、りんごの丸かじり、噛みごたえのある肉のかたまりなどは、痛みが強い時期は避けたほうがよいでしょう。
また、キャラメルやガム、ソフトキャンディのような粘着性の強いものは、取り外し式の装置に貼りついたり、ワイヤー矯正では装置が外れる原因になったりします。痛みの有無にかかわらず、矯正期間中は控えめにしていただくのがおすすめです。
食事量が減ってしまうと心配になりますが、痛みの強い数日を乗り切れば戻っていくことがほとんどです。無理に噛ませようとせず、飲み込みやすい形で栄養がとれる工夫をしてあげてください。
痛みが出やすい時間帯を知って予定を組む
調整後の痛みは、その日の夜から翌日にかけてピークを迎えることが多い傾向があります。可能であれば、通院日は習い事の発表や試合、テストなどの大事な予定と重ならない日を選んでおくと安心です。学校生活そのものに支障が出ることはあまり多くありませんが、給食が食べにくい日が出ることは想定しておくとよいでしょう。
痛む場所を冷たいタオルなどで軽く冷やすと楽になるお子さんもいます。ただし、氷を直接長時間当てるような強い冷やし方は避けてください。
市販の痛み止めを使ってよいか
どうしても痛みが強く、眠れない、食事がとれないという場合には、お子さんの年齢に合った市販の解熱鎮痛薬を用法・用量どおりに使っていただくことは選択肢のひとつです。ただし、他に飲んでいるお薬がある場合やアレルギーが心配な場合、また使用が続く場合には、あらかじめ歯科医院や薬剤師にご相談ください。
痛み止めを何日も続けて使わないと過ごせないというときは、装置や力のかけ方を見直したほうがよい可能性があります。薬でしのぐ前に、一度ご連絡いただければと思います。
お子さんが装置を嫌がるときの向き合い方
小児矯正でいちばん難しいのは、痛みそのものよりも、お子さんが装置を嫌がって使わなくなってしまうことかもしれません。取り外し式の装置は、本人が使ってくれなければ効果が出にくく、親御さんとしても毎日声をかけ続けるのは大きな負担です。ここでは、無理なく続けるための考え方をお伝えします。
まず「どこがどう痛いのか」を一緒に確かめる
お子さんが「痛いからつけたくない」と言うとき、その中身は一人ひとり違います。歯が動く痛みなのか、どこか一か所が当たって傷になっているのか、それとも痛みというより違和感や気持ち悪さなのか。実際に見てみると、装置のふちが当たって粘膜が赤くなっているだけで、そこを少し削るだけで解決することもあります。
「みんな我慢しているから」と片づけてしまうと、お子さんは痛みを言い出せなくなり、こっそり装置を外すようになってしまうことがあります。まずは訴えを受け止めて、鏡で一緒にお口の中を見てあげてください。
叱るより、装着時間を見える化する
装着時間が守れないとき、叱って管理しようとすると親子ともに疲れてしまいます。カレンダーやシールで「今日はつけられた」を目に見える形にする、装置を置く定位置を決めて外したまま忘れないようにする、といった仕組みづくりのほうが続きやすい傾向があります。
また、矯正は何のためにやっているのかを、お子さん自身が納得できているかどうかも大きなポイントです。当院では、お子さんの年齢に合わせて本人にも分かる言葉で説明し、親御さんが決めた治療ではなく、本人も参加している治療になるよう心がけています。治療方針についても、複数の選択肢をお示ししたうえで、ご家族と一緒に決めていきます。
早めに歯科医院へ相談したほうがよいサイン
次のような場合は、次回の予約を待たずにご連絡いただくことをおすすめします。痛みが1週間以上続いて弱まる気配がない、同じ場所の傷が治らず深くなっている、顔が腫れている、装置が壊れた・変形した・外れた、痛みで食事も睡眠も明らかにとれていない、といったケースです。
矯正中は歯みがきがしにくくなり、むし歯や歯ぐきの炎症が痛みの原因になっていることもあります。当院は矯正だけでなく、むし歯や歯周病を含めたお口全体の管理を同じ医院で続けられる体制をとっておりますので、痛みの原因を切り分けながら対応できます。他院で治療中の方のセカンドオピニオンもお受けしています。
よくあるご質問
矯正の痛みは何日くらい続きますか
装置を入れた日や調整した日から数日でやわらいでいくことが多いと言われています。ただし感じ方には個人差があり、ほとんど痛まないお子さんもいます。1週間以上たっても痛みが軽くならない場合は、別の原因が隠れていることもありますので、ご相談ください。
痛がるので装置を外してもよいですか
自己判断で長く外してしまうと、歯が元の位置に戻ろうとして、次に入れたときにかえって強い痛みが出ることがあります。どうしてもつらいときは、外しっぱなしにする前に歯科医院へご連絡ください。力のかけ方や装置の形を調整できる場合があります。
痛みが少ない矯正方法はありますか
一般的に、やわらかい素材の装置やマウスピース型の装置は、強い痛みが出にくい傾向があると言われています。ただし、どの装置が使えるかはお子さんの歯並びや顎の状態、年齢によって変わります。痛みの少なさだけで選ぶのではなく、目的に合った方法の中から比較して選ぶことが大切です。
痛みが心配で矯正を始めるか迷っています
まずは無料カウンセリングで、お子さんの状態を見せていただくところから始めていただけます。その場で治療を決める必要はありません。どんな装置が候補になるのか、どのくらい痛みが出る可能性があるのかを知ったうえで、ご家族で考えていただければと思います。
まとめ
子どもの矯正の痛みについて、ポイントを整理します。
ひとつ目は、痛みの原因は主に「歯が動くときの痛み」「装置が粘膜に当たる痛み」「調整直後の痛み」の3つに分けられ、多くは数日でやわらいでいく傾向があるということです。ふたつ目は、プレオルソや子どものマウスピース矯正のようにやわらかい力で進める装置と、床矯正やワイヤー矯正のようにはっきりと力をかける装置とでは、痛みの出方が変わるということ。3つ目は、やわらかい食事や予定の調整といったご家庭での工夫で、つらい数日間の負担はかなり減らせるということです。そして4つ目に、痛みを我慢させ続けることは治療を続けるうえで逆効果になりやすく、気になるときは早めに歯科医院へ相談していただくのがいちばんの近道だということです。
痛みへの不安から矯正の相談そのものをためらってしまうのは、もったいないことだと感じています。実際にお口の中を見せていただければ、お子さんにどんな装置が候補になるのか、どのくらいの負担が想定されるのかを具体的にお話しできます。
長崎県長与町の渡辺歯科医院では、小児矯正(1期・2期治療)、マウスピース矯正、ワイヤー矯正に対応しており、矯正歯科のご相談を無料カウンセリングで承っております。お子さんの歯並びや痛みへの不安について、まずはお気軽にご相談ください。